多くの地域から移り住む
北海道は蝦夷と言われていた時代はアイヌ民族が住んでいましたが、次第に本州に住んでいる人が流入するようになります。北海道はロシアが近くて外国人が侵入する可能性があったので、屯田兵の制度が発足してから、警備の意味も込めて東北の秋田、岩手、宮城、青森に住んでいた人が北海道に移住してきます。これは警備だけが目的なのではなく、当時東北地方で問題になっていた飢餓の状況から少しでも脱したいという辛い思いをしていた人たちが北海道に向かったという記録が残っています。北海道に移住した人たちは漁業に携わったり、農業を通じて開拓事業などを展開していきます。
どこから移住したのか
東北地域だけでなく日本海側の新潟や石川エリアからも船で北海道に移住した人たちの流入が盛んになると、札幌を中心地とする行政区整備が進められるようになり、東京でも北海道への移民を募集するようになりました。さらに明治に入って兵隊の役割を持ちながら農業に従事する屯田兵の制度が導入されました。様々な役割を果たすために多くの人が北海道に移住しました。現在の農業や漁業に通じるルーツとなる原点を形にしたのが、当時開拓者として北海道に入植した人たちです。
一番多いのは青森県
北海道に入植した人たちの出身地の中で一番多いのが青森県と言われています。次に新潟県から入植した人が多くて、秋田県、石川県、富山県と続きます。驚きなのは九州や沖縄からも入植者がいたことです。つまり当時は全国から北海道の未開拓の地に憧れや希望を持って移住をした人が多かったということです。今まで住んでいた土地を離れて北海道に行くというのは簡単なことではありませんが、夢と希望を持って多くの人が北海道に移住しました。それぞれの移住者が北海道に渡った後に様々なことに従事して発展していきました。漁業や農業、またそのほかの産業で、個人で事業を軌道にのせて資産を構築した人もいました。入植者は大変な思いをして一生懸命に仕事をして自分たちの生活が豊かになっていくのを肌で感じていました。