北海道の地名に関する話題!入植との関係も

1.北海道には他県の県名と同じ地名が多い

全国各地には、同じ地名が多くあります。響きのみが同じ地名を含めると、かなりの数になるのではないでしょうか。ただ、メディアで取り上げる機会がないと、あまり意識しないかもしれません。いまはSNSで話題になることも多いため、思わぬ気付きや発見もでてくるでしょう。

北海道のケースも例外ではありません。北海道には「岐阜」や「鳥取」「愛知」など、他県の県名と同じ地名が存在します。なかでも、札幌市に隣接する「北広島市」は有名です。最初は「広島町」でしたが、「市」への移行にともない「北広島市」に変更した経緯があります。

 

2.他県と同じ地名が存在する背景は

この背景には、明治時代からの北海道への集団入植が関係しています。数十人や数百人といった大規模で移住することも多く、入植者たちは新天地で集落をつくってきました。その集落名として、入植者の出身地名を付けた事例も少なくありません。前述した「北広島市」の地名にも、そのような背景が関係しています。1884年、広島県からの集団移住で誕生したのが現在の北広島市です。町政時代の「広島」をそのまま使わなかったのは、本家である中国地方の広島と区別するためでした。

 

3.なかには「団体」という地名も

北海道各地にある地名には、入植者の出身県名にちなんだものが多く、それらの地名からは、北海道入植の歴史が垣間見られるようです。さらに「○○団体」といった地名の存在も。その一つ「兵庫県団体」は石狩市厚田区にある地名です。こちらは、入植時の集団名がそのまま地名になった貴重な事例といえるでしょう。

 

4.入植者の出身地と姉妹都市を結ぶことも

同じ地名の存在がわかると、親近感がわくこともあります。その結果、姉妹都市提携を結ぶ自治体も少なくありません。北海道の「北広島市」と広島県の「東広島市」は代表的存在です。また、釧路市の姉妹都市の一つには鳥取県の「鳥取市」があり、「釧路市鳥取」との歴史的な結びつきが大きいといわれています。