地域特産ブランドのマス類、スペシャル・トラウト

研究と品種改良によって広がるスペシャル魚

マス類の中でも人気が高いニジマスは、品種改良にもよく使われる魚です。基本的にはメスのニジマスをベースとしたハイブリッド種や、バイオテクノロジーで作り出したブランド種など、全国各地で多種多様なニジマスが作り出されています。こうしたマス類は、その地域の特産ブランド魚として人気が高く、マス類ではスペシャル・トラウトに分類されます。

スペシャル・トラウトは、その地域によってどんな風に開発がすすめられたかによって、作り出された魚の特徴やサイズ、味が異なります。全般的には、輸入してきたサケと比較すると、肉質や脂のノリが良く、お刺身として食べた時の味が美味なものが多いです。また、国産の養殖マスなので、新鮮な状態で飲食店や市場まで提供できるという点もまた、スペシャル・トラウトの大きな魅力です。

3年で1キロ超「ギンヒカリ」

スペシャル・トラウトの中でもよく知られているのは、箱根湧水のすぐそばで養殖されているギンヒカリというマス類です。ご当地ブランド魚として人気の魚で、通常のニジマスは2年で成熟するのに対し、ギンヒカリは成熟するまでに3年かかるという違いがあります。3年かけて育てたギンヒカリは、大きさは1キロ以上と大きく成長します。ただし、お刺身としていただくなら、3年まで待つよりも、2年ぐらいで頂いた方が肉質や鮮度の面では優秀です。

生食向けのマス「志賀高原トラウト」

ニジマスの3倍体として品種改良された志賀高原トラウトは、お刺身などの生食に適したお魚です。3倍体とは、バイオテクノロジーによって行われた品種改良のことで、魚の大きさが本来の3倍大となり、より多くの切り身を提供できるという食用としてのメリットがあります。

志賀高原トラウトは、身は鮮やかなサーモンピンクをしているのが特徴で、癖がなくまろやかな味を堪能できます。2年間の飼育で大きさは2kg程度まで成長し、その状態で出荷されることが多いお魚です。