とうもろこしと言えばスーパーマーケットの野菜コーナーで売られていて、ゆでたり焼いたりスープやサラダに入れたりして食べる、お馴染みの野菜という感覚でしょう。夏の時期は、お祭りの屋台やバーベキューの定番素材として人気の野菜です。しかしながら、世界に目を向けてみると、とうもろこしは日本のお米のような主食として消費されている国々があります。実際、トウモロコシは、麦、米と並ぶ世界三大穀物のひとつです。では、とうもろこしは野菜なのでしょうか?それとも穀物なのでしょうか?
とうもろこしは何に分類される?
答えは、国により定義に違いがあるので、野菜でもあるし穀物でもあるということになります。日本の農林水産省の分類では、とうもろこしは穀類で、そのほとんどは飼料として使われるものです。一方、飲食店や家庭料理で消費される未成熟状態で収穫するものはスイートコーンと呼ばれ、野菜に分類されています。
とうもろこしのルーツ
とうもろこしは、アメリカ大陸やメキシコで栽培されている野菜です。16世紀ごろに、ポルトガル人によって長崎県へと持ち込まれたと言われています。その名前の由来は、唐からやって来た「きび」ということで、地域によっては「とうきび」とも呼ばれています。国内で穀類として分類され動物の飼料に使われるとうもろこしは、ほとんど輸入に依存しています。日本は世界的に見てもとうもろこしの輸入大国なのです。一方、私たちが消費する野菜に分類されるスイートコーンについては、ほとんどが国内生産です。生産量の約40%は北海道で作られています。
食用としての消費量は少ないとうもろこし
世界的に見ると、とうもろこしの消費は家畜の飼料用が大部分を占めます。続いて、コーンスターチを作るためなど工業目的が大きな割合を占めます。食用として使われるのは、ごく一部なのです。食用としての消費量が多い国として、メキシコや中央アメリカ、アフリカの一部地域が挙げられます。それらの地域ではトルティーヤの他、とうもろこしを原料とした食品が主食とされるので、自ずと食用としての割合が上がるのです。