ニジマスの陸封型と降海型ってなんのこと?

フィッシング好きな人から魚料理が好きな人まで、たくさんの人に親しまれている淡水魚のニジマスは、その生涯の過ごし方によって2つの型に分類されます。ひとつは陸封型で、もうひとつが降海型です。この違いによるそれぞれの特徴を知っておくと、何かと役に立つでしょう。

生涯を川で過ごす陸封型

ニジマスの中で一生海に出ることなく、淡水で過ごすものを陸封型と呼びます。河川残留型と表現されることもあります。ほとんどのニジマスがこの陸封型で、成魚の大きさが約40cm前後です。レインボートラウトと呼ばれているのは、この陸封型のニジマスを指しています。その生涯を淡水で過ごすことから、サナダムシやアニサキスといった海水域由来の寄生虫が付く環境にいないため、生食にも向いている型です。キレイな水が流れる渓流の近くで見かける養殖場にいるニジマスは、このタイプが多いでしょう。それで、身近なニジマスと言うと、この陸封型のレインボートラウトということになります。

海に下ってまた川に戻る降海型

一生を川で過ごす陸封型とは別に、ごく一部ではあるものの川から海へ降りて、その後、再び川へ戻ってくるニジマスも存在します。これを降海型と言い、スチールヘッドという名前で呼ばれます。陸封型と比較すると体調が大きく、60~120cmまでになるものもあります。陸封型との違いは大きさのみならず、海洋の環境に適応するために変態し、色味や見た目が変わります。これをスモルト(銀化)と言い、サケ科の魚に見られる特有の現象です。

陸封型と降海型、どっちがいいの?

生涯の過ごし方によって2つの型に分けられるニジマスは、豪快に釣りを楽しむという目的であれば、大型で野性的な降海型を狙うと楽しめるでしょう。淡泊な味わいや刺身で食べることを考えているのであれば、人の手によって管理されている養殖場の陸封型がおすすめです。どちらの型がいいかは、ニジマスの楽しみ方によってそれぞれ異なってくるでしょう。