春に出荷する珍しいマス類
マス類に限らず、多くの魚は、秋に産卵を行います。そのため、秋に出荷する魚は、他の季節と比べると脂が乗っていて美味というのが通説です。しかしマス類の中でもサクラマスは、捕獲時期は秋ではなく冬から春先にかけてで、他のマス類とは大きな違いがあります。春先に出荷されたサクラマスは、全国の飲食店やストアなどに提供され、フライやソテー、寿司のネタとなります。
このサクラマスは、捕獲と出荷の時期が他のマス類とは異なるため、知る人ぞ知る高級魚としても知られています。2020年には、北海道において養殖試験が行われており、今後さらに広く出荷されることが期待されています。
マス類の養殖がサケの代替へ
マス類と外見もDNAの面でもよく似ているサケ類は、天然のものは漁獲量が少しずつ減り続けています。サケ漁獲量の減少は、北海道や東北においては深刻な問題となっています。しかし、サケは日本人の食卓に欠かすことができない食材です。そんなサケの代替として注目されているのが、マスの中でも出荷時期がサケと被るサクラマスなのです。
サクラマスは、天然のものを捕獲することもできます。しかし、養殖なら、あえて出荷時期を少しずらし、年末に向けて出荷することが可能です。また、天然のものは寄生虫の心配があるため、生食はあまりおすすめできないのに対し、養殖物はエサや水質がシッカリ管理された中で飼育されるため、寄生虫の心配はありません。そのため、安心して生食できるという点もまた、サクラマスの養殖がスタートした背景にあります。
マスのご当地グルメで人気はマス寿司
安心して生食できる養殖マスは、養殖場がすぐそばにあるエリアにおいては、ご当地グルメとしても人気があります。マスを使った料理にはいろいろなものがありますが、その中でもます寿司はご当地グルメとして人気が高い商品です。
もしも東北地方や北海道地方、また北陸地方などでますの養殖が盛んな地域に足を運ぶ際には、ぜひます寿司を堪能してみてはいかがでしょうか。それぞれの地域ごとにレシピには工夫を凝らしており、食べ比べするのもおすすめです。(2020年現在)