マス類の定義は「サケ以外」
マス類の定義は、国によって異なります。マス類は、サケ目サケ科に属する魚のことで、魚種名にはマスがついているのが一般的です。しかし、マスという名前がついていなくても、シロザケとか紅鮭、キングサーモンと言ったサケという名前が付けられていないものは、すべてマス類に分類されます。つまり、サケとマスはとても良く似ている魚ですが、サケに分類されないものはすべてマスに分類しよう、というのが日本に置ける定義です。
ちなみに欧米諸国では、サケとマスの外見が似ているという点、そしてDNAでも非常に似ているという点から、淡水魚はマス、海水魚はサケと定義するという方法が採用されています。
北半球にも南半球にもいます
マスには、たくさんの魚種が分類されます。それぞれ、生態系や生息地域は異なりますが、特定の一部地域のみに生息する魚ではなく、北半球にも南半球にも、広く生息しているのが特徴です。北半球なら、緯度が高いエリアなら自然に分布しています。特に、夏の水温が20度を超えないようなエリアを好む魚種が多く、温かい地域に生息している場合でも、冷水域を選んで生息しています。日本国内では、九州北部から北海道にかけて広く生息しています。
南半球では、オーストラリアやニュージーランド、チリなどに多く生息しています。しかしこれらは自然の魚種ではなく、食用として放流され、そこから生息域を広げていったと考えられます。
食用として世界中で愛されるマス類
マス類は、白身のお魚でアッサリしています。毒性が少なく、身がおいしいので、世界中で食用として重宝されています。塩焼きなどでいただく方法が人気の他、加工されて缶詰になるなど、世界の地域ごとに様々な食され方をしています。
日本においては、天然のマスに加え、養殖も盛んにおこなわれています。マスは流れが穏やかな環境を好むため、養殖しやすい魚種でもあります。養殖においては、マスの品種改良に関する研究も積極的に行われていて、体長が大きな3倍種を作り出したり、エサにエビを多く使うことによってマスの身をオレンジ色にするなど、養殖ならではの試みも多くあります。